ピリオド・ヴィンテージ(Period Vintage)とは…
国立楽器サロン・ド・ノアン店では、さらにプレイエル社創業当初の
1807年から1800年代末までに製造されたプレイエル・ピアノを
「ピリオド・ヴィンテージ」 として位置づけております。
ショパンが愛用していた1830〜40年代は、プレイエル・ピアノにとって絶頂期に当たります。
プレイエル社は、様々な時代や変革の波に押されつつも、ショパンの時代に
確立された基本構造や、その繊細で甘美な音色を19世紀末まで保ち続けていたのです。
当店では、ショパンが愛用していた時代のプレイエル・ピアノを始めとする
「ピリオド・ヴィンテージ」を皆様にご紹介して参ります。
当店では、一般のお客様からコレクターや専門家の方まで、多様なご要望に幅広く
お応えするため、プレイエル・ピアノを始めとする、各種ヴィンテージ・ピアノや
ピリオド・ヴィンテージの情報をご紹介致します。
なお、ピリオド・ヴィンテージに就きましては、世界的にも大変貴重で、非常に稀少な楽器です。
そのため常時お取扱いが出来ませんので御了承下さい。
プレイエル グランドピアノ モデルNo,2 1844年製
クリックで拡大画像を表示します。
“正真正銘ショパン時代のプレイエル”
プレイエル グランドピアノ モデルNo,2
全長:約204cm 幅:127cm 高さ:92cm
音域:6オクターヴ1/2 80鍵(象牙、黒檀)
ペダル:2本
外装:マホガニー材フレンチポリッシュ仕上げ
製造:1844年頃 シングルアクション搭載
価格:お問合せ下さい
※試弾は提携先となり
ご予約制 です。
nohant@kunitachi-gakki.co.jp
プレイエル社のセミコンサートピアノモデルであったNO,2は1841年に登場しました。
現在記録上で確認される所では、1855年当時では全長210cmでしたが、
これが1858年に至ると全長245cmになり、さらに1867年には248cmまで拡大しましたが、
1875年になると235cmと縮小し、1900年以降に現代のピアノの構造が確立されてから226cmに
落ち着いた後、1922年に生産が終了されました。
また、鍵盤数についても、1841年には当時の標準であった80鍵で登場し、
1855年には83鍵、1858年には85鍵と拡大し、1905年には現在と同じ
88鍵へとなりました。なお、当時は外装をマホガニーとローズウッドの2種類から
選ぶ事ができました。製造当時の外装形状として、一貫して竪琴状のペダルリラ、
達磨足の彫刻装飾付きが基本仕様でした。
フレームの形状1
独特のダンパーの形状
当時の達磨脚と竪琴状のペダルリラ
金属部分のオルモル
内部のシングルアクション
分解した状態のアクション部分
このピアノはショパン34歳に当る1844年頃に製造されました。当時のフランスのピアノは、プレイエル社と
エラール社の2つメーカーを頂点として栄え、世界で最も優れたピアノといわれた全盛時代でした。
このプレイエルは、シングルアクションや、平行弦のネジ止め式フレームの半鉄骨方式、独特の形状のダン
パー等、全て1830〜40年代の基本仕様そのもので、ショパンが弾いていた当時のクオリティを実体験でき
ます。また、当時のプレイエルは綿密な設計のもと、大変細部に至るまで緻密に造られており、言うまでもな
くショパンが魅せられた、大変優雅な音色を持っており、正にショパン自身をして「完全無欠」と語らしめた時
代のフランスピアノの一つの完成形を示していると思われます。また金属部分にも細工が施され、胴体の鍵
に相当するオルモルには鋳造に金をかぶせて装飾的に造られています。
このショパン時代のプレイエルは残存数が極めて少なく、世界的にも貴重なプレイエルの一つと言えます。
このプレイエルは内部・外装共に素晴しい状態となっており、正にショパンが円熟期へと差し掛かっていった
当時の音を実際に体感してみてください。
このメーカー名のプレートには、まず当時のプレイエル社の社名を示す「Ignace PLEYEL & Companie Paris」
の文字の上に「Medailles d'Or.1827,1834 et 1839」とありますが、これは1827年(ベートーヴェンが亡くなった
年),1834年、そして1839年に開催された博覧会でプレイエル・ピアノが金メダルを受賞した事を表すもので、
プレイエルの社名の下にある「Facteurs du Roi」とは、当時の王室の御用達の楽器製造業者ある事が誇らし
げに表記されており、一番下にある「No,20 Rue Rochechouart. PARIS」の表記には、
当時のプレイエルがパリ、ロシェショアール通り20番地にあった事を示しています。
文責:松原 聡