まずは、リサイタルの話からです。以前何度かソロで演奏した事のあるルーベンスハウスで演奏しました。この日は本来ソプラノ歌手の演奏会が予定されていたのですが、それが急遽キャンセルになりその代行を僕等が務めたのです。この月はすでに何度もデュオでの演奏をしていたので、準備は万端整っていました。僕はちょうど病気で寝込んでいる最中で(前回の日記を参照)演奏会の直前までピアノには触れなかったのですが、全く問題はありませんでした。(実は医者からまだ外出許可は下りていなかったのですが。。。。)場所がアントワープなので普段なら自転車で駆けつける所ですが、この日は大事をとって路線電車で行くことに。そうしたら道中雨も降り出して、自転車で行かずに正解だったようです。
演奏は上出来で、むしろいつも以上に落ち着いて弾く事が出来ました。お客さんは大変満足して下さり、主催者も興奮した様子で、「完璧な演奏だった!素晴らしい!」。そして演奏会の後、食事に招待して頂きました。
それから一週間後、僕等はイタリアにいました。イタリア北部にあるトリノから電車で約1時間半の所にある小さな街、カンデロで行われたコンクールに参加するためです。カンデロの旧市街は14世紀からそのままに残っているそうで、ここを歩いていると違う時代にいるような気がしました。この時期はずっとデュオの演奏会が続いていたので、ついでにコンクールにも参加してみようか、という単純な動機からだったのですが、めでたく優勝する事ができました(しかも運良くイースター休暇だったので仕事も休みで長期の遠出が可能だったのです)。更にチェルノヴァ女史とのこのデュオでは初めての優勝だったので、喜びも倍増です(前回はロシアで3位)。今後に向けての良いステップになりました。 また他の参加者の演奏を聴くのも非常に良い勉強になります。特に今回はドイツのハノーバー音楽大学(現在ピアノ科では世界最高のレベルと言われている)から来たデュオがかなりの強敵で、彼らの練習を聴いた時には一瞬冷や汗が出ました。僕の隣で聴いていたチェルノヴァ女史がぼやくのが聞こえます。「彼らが優勝ね。。。。」この一言で目が覚めました。「いや、勝つのは俺達だ!」(英会話では単に 'We' なので「私達」「僕達」と訳しても良いのですが、今回はあえて「俺達」としておきます)そうは言ったものの特に勝算があったわけではなく、そのまま練習室に駆け込み練習開始です。その後も空き時間を見つけては必死に練習していました。この練習の成果と運も味方してくれたようで、予選も本選も会心の演奏をする事が出来ました。 今回泊まったホテルの支配人がとても気さくで陽気な方で、コンクール最後の夜、受賞者演奏会で遅くなった僕達を演奏会場まで車で迎えに来て下さり、更に優勝をとても喜んでくれてホテルのレストランで食事とワインを振舞ってくれました。着いた時にはすでに夜12時を過ぎていて、レストランは閉まった後で、ちょうどコックやウエイトレスが食事をしている所でした。その食事を僕等も有難く頂き、たくさんワインを飲みました(本当は「飲まされた」と言った方が良いかもしれませんが)。僕は酒類はほとんど飲めないので、ワインを開けようとしている支配人を止めようとしたのですが全く聞いてもらえず、「優勝したんだから、ワインを飲むのは当然だろう!」と、グラスに勝手に注がれてしまいました。一杯目を何とか飲み終わり、ホッとして目を離した隙に何とすでに2杯目が注がれているのです。苦労して2杯目も飲み干し、ちょっと席を立った隙に今度は3杯目が(さすがにこれは飲み干す事が出来ませんでした)。他の人達は楽しそうに食べて飲んでいました。実は高級なワインだったそうです。周りにいるコックやウエイトレスはほとんどが知らない人達だったのですが、皆そんな事はおかまいなしに話しかけてきます(イタリア語で)。食事が終わればすぐさまケーキが僕の目の前にありました。ここにイタリア人の陽気な、そしてオープンな気質を見た気がしました。しかもこの人達(支配人を含めて)は全く英語がわからず、僕等もまたイタリア語が全くわからないので、どのように会話しお互いの意思が伝わっていたのか、今でも不思議に思います。言葉が通じなくても心は通じるのですね。 次の日はトリノを少し散策してから無事にベルギーへ戻りました。今回は休み返上でのイースター休暇になりましたが、貴重な体験をたくさんしました。これからも更に練習を積み、腕を上げていくつもりです。
それから一週間後、僕等はイタリアにいました。イタリア北部にあるトリノから電車で約1時間半の所にある小さな街、カンデロで行われたコンクールに参加するためです。カンデロの旧市街は14世紀からそのままに残っているそうで、ここを歩いていると違う時代にいるような気がしました。この時期はずっとデュオの演奏会が続いていたので、ついでにコンクールにも参加してみようか、という単純な動機からだったのですが、めでたく優勝する事ができました(しかも運良くイースター休暇だったので仕事も休みで長期の遠出が可能だったのです)。更にチェルノヴァ女史とのこのデュオでは初めての優勝だったので、喜びも倍増です(前回はロシアで3位)。今後に向けての良いステップになりました。 また他の参加者の演奏を聴くのも非常に良い勉強になります。特に今回はドイツのハノーバー音楽大学(現在ピアノ科では世界最高のレベルと言われている)から来たデュオがかなりの強敵で、彼らの練習を聴いた時には一瞬冷や汗が出ました。僕の隣で聴いていたチェルノヴァ女史がぼやくのが聞こえます。「彼らが優勝ね。。。。」この一言で目が覚めました。「いや、勝つのは俺達だ!」(英会話では単に 'We' なので「私達」「僕達」と訳しても良いのですが、今回はあえて「俺達」としておきます)そうは言ったものの特に勝算があったわけではなく、そのまま練習室に駆け込み練習開始です。その後も空き時間を見つけては必死に練習していました。この練習の成果と運も味方してくれたようで、予選も本選も会心の演奏をする事が出来ました。 今回泊まったホテルの支配人がとても気さくで陽気な方で、コンクール最後の夜、受賞者演奏会で遅くなった僕達を演奏会場まで車で迎えに来て下さり、更に優勝をとても喜んでくれてホテルのレストランで食事とワインを振舞ってくれました。着いた時にはすでに夜12時を過ぎていて、レストランは閉まった後で、ちょうどコックやウエイトレスが食事をしている所でした。その食事を僕等も有難く頂き、たくさんワインを飲みました(本当は「飲まされた」と言った方が良いかもしれませんが)。僕は酒類はほとんど飲めないので、ワインを開けようとしている支配人を止めようとしたのですが全く聞いてもらえず、「優勝したんだから、ワインを飲むのは当然だろう!」と、グラスに勝手に注がれてしまいました。一杯目を何とか飲み終わり、ホッとして目を離した隙に何とすでに2杯目が注がれているのです。苦労して2杯目も飲み干し、ちょっと席を立った隙に今度は3杯目が(さすがにこれは飲み干す事が出来ませんでした)。他の人達は楽しそうに食べて飲んでいました。実は高級なワインだったそうです。周りにいるコックやウエイトレスはほとんどが知らない人達だったのですが、皆そんな事はおかまいなしに話しかけてきます(イタリア語で)。食事が終わればすぐさまケーキが僕の目の前にありました。ここにイタリア人の陽気な、そしてオープンな気質を見た気がしました。しかもこの人達(支配人を含めて)は全く英語がわからず、僕等もまたイタリア語が全くわからないので、どのように会話しお互いの意思が伝わっていたのか、今でも不思議に思います。言葉が通じなくても心は通じるのですね。 次の日はトリノを少し散策してから無事にベルギーへ戻りました。今回は休み返上でのイースター休暇になりましたが、貴重な体験をたくさんしました。これからも更に練習を積み、腕を上げていくつもりです。


